吉村慎吾 「イノベーターズ」
最近読んだ本、パート15。
5月の中旬くらいに、尊敬するクロヒョウさんから「旬」について「イノベーター理論」を用いた物凄く興味深いお話を聞いて、「そもそも、イノベーターとは何ぞや?」と気になり、Amazonで検索してヒントになりそうだと思い、購入してみることに。
これは面白い本だ。
単にイノベーターについて書いてあるだけでなく、日本の企業論や挑戦することの大切さや人生についてなどについても述べられていて、勉強になることばかり。
とりあえず、気になったところをピックアップ。
18ページ
「Innovate or Die」。新たに生まれ変わるか、それとも死を迎えるかー。
→「安定」とは何もしないでいることではない。
29ページ
アメリカの自動車会社フォード・モーターの創設者ヘンリー・フォードはこう言った。「人々に何が欲しいか?と尋ねたら『もっと速い馬が欲しい』と答えるでしょう。」と。自動車を見たことも想像したこともない人々にとって、過去の体験・経験から出てくる答えはそれしかない。
→既成概念にとらわれない発想が重要。
35ページ
インベンション(発明)とは、単なる新しいアイデアの創出である。それに対して、イノベーションとは、創出されたアイデアを収益を生み出す事業へと発展させることである。言い換えれば、社会に役立つ新しい価値を創造し、その対価として人々から喜んでお金を払ってもらうことである。
→この違いは認識しておく必要がある。
37ページ
イノベーションとは今あるものと今あるものを組み合わせて従来にない新しい価値を生み出すことであり、技術に限った話ではない。
→これは誰もができること。
やるかやらないかだけ。
39ページ
企業が偉大なイノベーションを生み出したいのであれば、「イノベーション」を「技術革新」ではなく「革新的価値創造」と理解すべきである。
→「技術革新」はイノベーションのほんの一部。
42 43ページ
イノベーティブアイデアとは、異質なものの組み合わせにすぎないからだ。もちろん普通の人間が普通に生み出すことができる。すでに存在している一般的だが異質のものを組み合わせればイノベーティブアイデアは簡単に生み出せるものだ。
→アイデアはどんどん出して、どんどん試していくべき。
45ページ
人生は見たり、聞いたり、試したりの三つの知恵でまとまっているが、多くの人は見たり聞いたりばかりで一番重要な"試したり"をほとんどしない。 本田宗一郎
→確かに…
46ページ
私は失敗したことがない。ただ、うまくいかない一万通りの方法を見つけただけだ。 トーマス・エジソン
→この考え方は大切。
46ページ
成功は九十九%の失敗に支えられた一%だ。 本田宗一郎
→これまた大切。
49ページ
良いアイデアを持っている人はたくさんいる。ただ、そのアイデアを実行に移す勇気のある人は少ない。 盛田昭夫
→良いアイデアを持ったら、実行すること。
58ページ
他人がどう思うかなんて関係ない。自分の美意識(価値観)にこだわる。とってもシンプルだけど楽じゃない生き方だ。
イノベーションの正体は自らの理想を諦めない勇気だ。
→イノベーションの正体。
71 マッキントッシュが成功できたのは、ミュージシャンや詩人、アーティスト、研究者が一緒に仕事をしたからである。そして、イノベーションはお金の問題ではない。チームメンバーに方向性を示すことだ。 スティーブ・ジョブズ
→あらゆる才能が一つの目的に向かっていくこと。
83ページ
この世に存在する人間は、程度の差こそあれ、ちっぽけなものなのだ。アメリカ大統領であったってそれは変わらない……中略……十字軍に参加すればその兵士の人生は英雄の人生となる。……中略……偉大な事業に何らかの形で参加し、それと一体化することが、健全で強固な自尊心を確保する上で不可欠と言える。良い企業(名声を博している企業、優れた製品・サービスを提供している企業など)で働くことが健全な自尊心を抱く上で有効なのはこの理由による。 アブラハム・マズロー
→ダラダラと日々を過ごすか、使命感を持って生きるのか。
89ページ
ミッションが現場に誇りを与えた。ミッションが経営陣の意思決定に一貫性を与えた。ミッションに誇りを持っていたから撤退せず勇気を持ってやり続けることができた。
→ミッションは何か。
91ページ
ルールは組織に秩序をもたらし組織を安定させる。同時に人々を既成概念の十字架に縛りつける。
ルールを減らし、秩序を壊さなければ新しいものは生まれない。
→ルールはとても大切。
でも、縛られてはいけない。
98ページ
人は体験して価値観が変化する。
→ガンガン体験していくこと。
98ページ
お前が理解できるような人間なんてろくなやつじゃないぞ。お前が理解できない人間こそ採用しろ。 本田宗一郎
→極論だけど、説得力アリ。
102ページ
想いがあれば世界中が応援してくれる。
→想いがないと、誰も応援してくれない。
104ページ
好きなことを仕事に選べばあなたは一生働かなくてよい。 クレイトン・クリステンセン
→自分の好きなことって何だろう。
136ページ
相対価値ではなく自己の原体験からくる絶対価値で想いを高めて独創的な製品の開発に取り組む。
「あなたはどう思う?」、「あなたは何をしたい?」、「なぜしたい?」
イノベーターを生み出す問いかけだ。
→イノベーターでなくても必要な問いかけ。
160 161ページ
イノベーターは様々な恐怖を乗り越えなければならない。しかし、イノベーターは組織のミッションと人生のミッションが完璧に一致していることを確信しているから、どんな困難にも耐えて粘り強く戦い続けることができる。イノベーターが社会に貢献する革新的価値のある目標を達成しようと奮闘しているから、心ある人々の共感を得て応援団が出来上がる。
ミッションに共感する仲間がイノベーターに勇気を与える。
そして、革新的価値創造が実現する。
これが、イノベーションが生まれるまでのトゥルーストーリーだ。
→このストーリーがあらゆる場所で起きれば、日本そして世界がより楽しくなる。
161ページ
イノベーターはとことん自分を知っている。多くの悩みや苦しみの体験を通して、とことん自分と向き合い、己が何者なのかを探求し尽くしている。スティーブ・ジョブズ氏しかり、孫正義氏しかり、である。
自分が、何が好きで何が嫌いか?自分が、何を美しいと思い、何が醜いと思うか?人生において最重要なものは何か?
他人に左右されない絶対的な幸せの基準(絶対価値)を持っている。だから他人の評価みたいな相対的なものを恐れない。
この幸せの絶対基準となるものが人生の基本的価値観(コア・バリュー)である。
→自分を知ること。
163ページ
自分が大切にしているものは人にあげたいものでもある。イノベーターは自分が信じる価値観を作品にのせて世界に広めるため、決して夢を諦めず、勤勉に粘り強く働く。
人生の基本的価値(コア・バリュー)を発見することがイノベーターとなるスタートだ。
そして、基本的価値観を持つことは他人の評価に左右されず悔いなく生きる鍵でもある。
→自分の好きなもの、凄いと思ったもの、楽しいことなどは、人に伝えたくなる。
166ページ
価値観の正体はフィールグッドの感覚だ。この感覚は身体に刻まれている。DNAや資質から来る先天的なものもあるが、体験・経験に基づく後天的なものもある。
→気持ち良い感覚に従っていくこと。
170ページ
グーグルは安定より革新を優先する会社だ。 ラリー・ペイジ
→この覚悟。
172ページ
私たちは幸せになりたくて生きている。そして人生のほとんどの時間を仕事に費やす。愛する家族と過ごす時間よりも職場で同僚と過ごす時間のほうが長いのだ。であるならば、幸せの基準である人生の基本的価値観を、そのまま仕事における基本的価値観にしてしまえば、仕事を通して幸せになれる。
→わかりやすい。
247ページ
人間は神から多くの才能というギフトボックスをもらって生まれてくる。しかし、そのギフトボックスは「挑戦」しないと開かない。
人生の成功とは、限りなく「挑戦」して、自分の想像を遥かに超えた自分に出会うことだ。
→確かに、やってみないとわからないことだらけ。
267ページ
失う恐怖を超越すると物事はうまくいく。そして、失うとは勘違いだ。私たちは死なない限り何も失わない。ビジネスで死ぬことはない。
→「死ぬこと以外はかすり傷」って言いますね。
276ページ
未来を予測するもっとも確実な方法。それは未来を創ることだ。 アラン・ケイ
→これはかなり衝撃の言葉。
納得。
276ページ
他人の人生を生きるな。心の声に耳を傾けなさい。その声は驚くほどあなたの進むべき道を知っている。 スティーブ・ジョブズ
→知らぬ間に他人の人生を生きているので、気をつけねば。
老若男女や社会的地位などを問わず、読んでみると何かしら得られるものがあったり刺激を得られたりするかも。
オススメです。